大規模修繕工事を行うマンション管理組合様へ

このブログは管理組合、理事、理事長及びマンションの区分所有者を対象に書いております。また、20階以上の高層マンションは対象にしておりません。何故なら高層マンションの大規模修繕はまだ一般的でなくデーターが少ないからです。前々回は大規模修繕工事の参加基準、及び業者の選定方法また特にコンサルタントの選定は重要と書きました。
前回のブログには国土交通省による大規模修繕工事に関する実態調査と解説を記載しました。
この調査によると、1回目の工事を実施したときの築年数は概ね築14年前後、戸当たりの平均工事金額は100万円前後となっています。

大規模修繕工事は管理組合のもの

また、国土交通省は、大規模修繕工事を設計コンサルタントに発注する際に事前に検討した方がよい、主なポイントとして工事内訳に過剰な工事項目・仕様の設定等がないか等を指摘しております。近年大規模修繕工事の主役は、管理会社に代わり設計コンサルタント会社(設計コンサル)が占める割合が多くなっております。さて、大規模修繕工事費ですが、マンションによっては戸当たり単価が安い工事費で60万円、高い工事費で200万円もかかったという話も聞きます。
このように金額がバラバラであるということは、実態はそのマンションの事情を知らない限り正式なコメントは難しいのですが、一般的にはこのようなばらつきは考えられない金額であり、200万円はあまりにも高額と考えられ、誰かが仕組み、誰かが儲けていると考えるのが妥当です。

たとえこの200万円が高級マンションであっても金額の大半を占める外壁工事は他のマンションと仕上げが大きく違うことはないからです。ここで大事なことはマンションを知るということです。
大事な管理組合のお金です。解かり易く表現をすれば、建物調査診断をしっかり行うということです。
これにより、補修個所及び工事仕様書を作成できます。概算の金額も出せるように同じ調査会社に工事概算作成依頼をします。この状態を作り出すのは、私たち技術系マンション管理事務所または設計コンサルになります。これで大規模修繕の工事概算費用を知る事ができます。
調査は目視や打診を中心に、特殊機器も一部使用しながら調査を行います。調査診断は劣化状況の報告だけでなく、原因と対応策、工事の必要性や施工する時期について報告書で知ることができます。
この診断結果をベースにして、大規模修繕の工事計画を進めていくことになります。

大規模修繕設計者と工事監理者は分けて別々の会社でもよい

ここで管理組合として考えなければいけないことは調査診断をした会社(設計コンサル)に工事監理まで頼む必要性がないということです。
調査・診断会社とは見積もり作成の依頼までで、工事監理までは他の設計コンサルに依頼したいのであれば、調査・診断仕様書及び報告書作成だけの契約をして、次のステップで別の工事監理の設計コンサルを頼めばいいことです。
本来は調査・診断をした設計コンサルに工事監理までお願いするのがベストですが、今のご時世は不正が多くまかり通っております。

談合等、不正防止対策

この不正、所謂談合を防ぎ適正な工事費にする為には調査・診断報告書作成を設計コンサルAに依頼し、工事監理者は別の設計コンサルBに依頼する方法もあります。
管理組合として心配な面は、そんなに分業して大丈夫・・・ということだと思います。
それについては、建物は既存であること、主として外壁、防水の補修の工事が主体なので、ポイントさえ押さえれば、工事監理は別業者であっても可能です。但しこの建設業界は別の方が手掛けた仕事を好んで引き受ける方はあまり見かけないので、この点は通常より費用がアップするのはやむをえない事と、考えないと不正からの心配を拭えきることができません。
この点を管理組合としてどのように考え進めていくか、よく検討すべき事項です。
施工業者選定については技術系マンション管理士事務所に依頼すれば談合はできなくなるし、本来の予定金額で発注することが可能となります。

施工業者と一緒に工事監理業者も別々に募集をすれば、談合はすることができなくなり、またすることもできません。
理由は工事監理業者と施工管理業者が対等の関係でどこが選ばれるかもわからないからです。
施工業者選定で重要なことは官庁の入札ではないので、一番札の業者に発注する必要がないことで、管理組合様に見合った施工業者に発注すればいいのです。
このような、段取りは私たちのような経験豊富な技術系マンション管理士か不正の嫌いな設計コンサルしかできません。

初回相談は無料にて対応させて頂きますので、是非声をかけてみて下さい。

大規模修繕にマンション管理士、コンサルタントは必要その1から読んでみる