◎大規模修繕工事の実施と開始時期 |
大規模修繕はいま本当に必要なのでしょうか。管理会社に促されるままに準備を進めていませんか?また単に14年以上経過したからといって進めてはおりませんか?近年大規模修繕工事の実施時期は12年周期から14年周期になってまいりましたが、これはあくまで目安でしかありません。重要なことはまず大規模修繕がマンションにとって必要な時期であるかを見極めることであり、その手立てとなるのが「建物・設備の診断」です。これによって建物外壁や屋上防水をはじめ各箇所の劣化度合いを診断することができ、修繕の要否を判断する材料となるのです。 この事由は新築工事、営繕工事を沢山経験して得た筆者の貴重な財産と自負致しております。
★大橋マンション管理士事務所は「建物・設備簡易診断」のご依頼も承っています。 |
◎大規模修繕計画の立案(工事設計):
いざ大規模修繕を行う場合、最初に修繕履歴や機能改善の必要な項目を洗い出し、工事仕様を決定するために、設計コンサルタント(設計事務所、技術系マンション管理士等)を選定するのが一般的なやり方です。設計コンサルタントはどのようにして探したらよいでしょうか? よく選定する方法は3つほどあります:
一つ目管理委託会社に依頼する、しかもその後の施工会社選定まで含めていわゆる”丸投げ”する方法です。管理組合にとっては一番楽な方法ではありますが、じつは最悪の方法と言えます。管理会社からすれば自社の系列または関連の設計、施工業者を採用することができ費用決定の経緯が不透明です。結果的に高い費用を支払うことになります。 二つ目によくあるのは、理事の紹介(いわゆるコネ)で設計事務所を選ぶ場合です。本当にいい事務所ならいいですが、経験の少ない事務所に依頼をしてしまっては満足のいく修繕はできません。金額の多寡以前の話です。しがらみのあるコンサルは良く考慮し公平、冷静な判断を仰ぎたいものです。 三つ目にインターネット検索で探す方法があります。実績のある事務所をさがして依頼するのはいい手段ですが、ここでポイントとなるのは、まず4~5社を候補として選びその中からベストな建築コンサル(マンション管理士、設計コンサル等)を決定して進めることですが、ネットはいいことしか書いて目いません。パンフや経歴書を持参して来て頂くには勿論、実際に会って話を聞き自分達の目で確かめ決定することが一番ではないでしょうか。
大規模修繕工事開始で注意すべき事項
注意すべきことは、マンションの区分所有者は専門知識の欠落から不必要な工事を勧められたり不安を覚えることが多々あります。大規模修繕工事(給排水管更新工事)は、慌てずかつ慎重に計画することです。コンサルタントが最初に進める事は現状の把握です。マンション内でお勧めできないことは、区分所有者に専門的知識があり建設業界にいた方が組合を主導していくことです。知識は沢山あってもいいのですが同じマンション内でのぎくしゃくを生じ、利益相反に当たらないとも限りません。それにその方が公正に物事を判断できる方ならいいのですが・・・違った見方や判断をされると、取り返しのつかない状態になります。それとコンサルタントに発言できなくなる雰囲気になることも注意しましょう。 またコンサルタントが難しいことを要求したり、話したりそれについていけなくなり,いいなりになることは多々あるので注意することです。正しい計画を行うためには、時には外部専門家も調査チームとして編成する必要があります。以上のことをまとめますと、当社では以下のような手順で進める方針です。<メンバー構成> 大規模修繕工事(給排水管更新工事) ①修繕委員会の管理組合メンバー ②建築・設備コンサルタント(当事務所)+専門家 ③設計図、仕様書、概算金額の算定補助を行う設計事務所。150戸以上委託(150戸以下は当事務所にて対応可能)
<主たるメンバー構成>
大規模修繕工事・給排水管更新工事
①修繕委員会の管理組合メンバー
②建築・設備コンサルタント(当事務所)
③設計図、仕様書、概算金額の算定補助を行う設計事務所。100戸以上委託(100戸以下は当事務所にて対応)
大規模修繕とは人間同様、建物・設備も古くなればあっちこっちにガタがきます。雨漏り、外壁のひび割れ、タイルの剥離、モルタルの剥離、防水層の亀裂、人間に例えれば内臓である配管の劣化、設備機器の老朽化等々・・・その結果、さまざまなところに影響がでて快適さを失うばかりでなく、その維持保全には多大なコストがかかります。
○劣化を修復する事 | 外壁修復・再塗装、鉄部塗装、防水再加工・・・など |
○機能を改善する事 (グレードアップ) |
給水ポンプ方式の変更(増圧方式)、セキュリティ強化、段差解消(バリアフリー化)・・・など |
◎大規模修繕の目的と内容
経年変化による建物の劣化を完全にあるいは永久に食い止めることは不可能ですが、劣化を遅らせ建物を長持ちさせる努力を怠るわけには行きません。そのために行われる作業として、点検(劣化の度合いの調査)、メンテナンス(=保守:最適な状態を維持する作業)そして修繕(劣化部を修復)があります。大規模修繕は、定期的に建物の劣化度をチェックし痛んだ箇所を実用上支障のない状態に修復する大変重要な工事となります。しかし、じつはマンションの不具合箇所は劣化 による部分だけとは限りません。社会環境や生活スタイルの変化により建物設備の機能として新たに要求されてくる部分も出てきます。せっかく多大な経費をかけて建物全体を見直す大工事を行う機会なのですから、こうしたグレードアップ(機能の改善)も視野に入れた工事計画を立案することが望ましいといえます。
大規模修繕、建物設備診断のことはベテラン建築士のいる大橋マンション管理士事務所にお気軽にご相談ください。