大規模修繕工事の進め方とその流れを説明します。
大規模修繕工事はその名の通り、マンションの工事では最も大きなものです。また大規模修繕工事の実施には多大なコストと作業負担がかかります。ここでは大規模修繕を正しい方向に導けるよう、大規模修繕委員会の設置とその流れについて説明します。
そのような流れよりどうすれば、いいコンサルに巡り合いたい方はこちらへ
大規模修繕委員会の発足
◎大規模修繕工事の概ね二年前に管理組合の中に大規模修繕委員会を設置することが、初めの一歩となります。
一般的な大規模修繕委員会の設置と進め方を以下に示します。
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- 管理組合の発案時期 大規模工事の概ね2年前が効果的です。
↓ - 大規模修繕専門委員会の設置・検討 どの様なスタイルで行うかこれは重要なことです。
↓ - 専門家(コンサル)の決定 ⇒調査・診断依頼(この調査・診断が最重要です。)
- 施工業者の決定
↓施工業者選定への協力 管理組合が決める事が重要。 - 資金計画(修繕積立金)の再検討、見積り条件書
↓現場説明、図面渡し - 総会決定(普通決議)、業者見積もりチェック等
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- 管理組合の発案時期 大規模工事の概ね2年前が効果的です。
- 工事請負契約、工事監理委託契約の作成
- 工事の着工 専門委員会の設立から2年後が着工の目安。これ以上長いとだらける。
◎工事の進め方 -4つの管理方式:
大規模修繕工事の進め方には大きくは下記の3つプラス1の管理方式があります。
一つ目は管理委託会社に依頼する、しかもその後の施工会社選定まで含めていわゆる”丸投げ”する方法です。管理組合にとっては一番楽な方法ではありますが、じつは最悪の方法と言えます。管理会社からすれば自社の系列または関連の設計、施工業者を採用することができ費用決定の経緯が不透明です。結果的に高い費用を支払うことになります。
二つ目によくあるのは、設計事務所を選ぶ場合です。本当にいい事務所ならいいですが、経験の少ない事務所に依頼をしてしまっては満足のいく修繕はできません。注意しなくてはいけないことはヒモ付け行為です。しがらみのあるコンサルは良く考慮し公平、冷静な判断を仰ぎたいものです。
三つ目はここでポイントとなるのは、施工会社を決めてその主導で進めるやり方です。所謂責任施工方式です。現状の管理組合に見合った方式を選定するところから行くべきです。まず4~8社を候補として選びその中からベストな建築コンサル(設計コンサル、マンション管理士等)を決定して進めることです。
四つ目は上記プランにプラスした案です。(当事務所案)
上記のコンサルを決めるには実際に会って話を聞き自分達の目で確かめ決定することが一番ではないでしょうか。コンサルタントはあくまで補助で管理組合が主導しなければ後悔の原因となります。失敗した組合はほとんどコンサルにお任せで失敗しております。
どの方式で施工を考えるのは、前行の通り管理組合様のおかれた状況を勘案して決める事がベストで、ここではどの方法がいいとは書きません。とりわけ大規模修繕を初めて工事される管理組合様、または二度目で管理組合主導で実施をお考えの理事様を対象に技術系マンション管理士大橋がこれまで行った経験上のノウハウを伝授いたします。
ところで大規模修繕工事とはどのようなことをするの?
人間同様、建物・設備も古くなればあっちこっちにガタがきます。雨漏り、外壁のひび割れ、タイルの剥離、モルタルの剥離、防水層の亀裂、人間に例えれば内臓である配管の劣化、設備機器の老朽化等々・・・その結果、さまざまなところに影響がでて快適さを失うばかりでなく、その維持保全には多大なコストがかかります。
◎大規模修繕の目的と内容
経年変化による建物の劣化を永久に食い止めることは不可能ですが、劣化を遅らせ建物を長持ちさせる努力を怠るわけには行きません。そのために行われる作業として、点検(劣化の度合いの調査)、メンテナンス(=保守:最適な状態を維持する作業)そして修繕(劣化部を修復)があります。大規模修繕の目的は定期的に建物の劣化度をチェックし痛んだ箇所を実用上支障のない状態に修復する大変重要な工事となります。しかし、じつはマンションの不具合箇所は劣化による部分だけとは限りません。社会環境や生活スタイルの変化により建物設備の機能として新たに要求されてくる部分も出てきます。せっかく多大な経費をかけて建物全体を見直す大工事を行う機会なのですから、こうしたグレードアップ(機能の改善)も視野に入れた工事計画を立案することが望ましいといえます。
◎重要なことは、いいマンションコンサルタントを選定することで、設計仕様、工事金額、及び仕事の良しあしの全てが決定されます。
大規模修繕委員会の設置から進め方、建物設備劣化診断のことは大橋マンション管理士事務所にお気軽にご相談ください。